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排卵誘発の具体的方法(過排卵刺激かマイルドか)

排卵誘発の具体的方法(過排卵刺激かマイルドか)

 

過排卵刺激法(HMG注射での排卵誘発:出来るだけ多くの卵子の採取方針)

ナファレリール・ブセレキュア(鼻スプレー)を使用
 HMGによる排卵誘発をする場合には、予定外の排卵や卵の質の悪化防止のため、ナファレリールやブセレキュアを使用します。使用方法は次の3通りあります。

 

<ロング法>主にAMHが1.5ng/ml以上の卵巣機能が十分ある方
IVF・ET予定の前周期の高温期中頃からナファレリール(1日2回、鼻の片側にスプレー)を始め、月経が終了(月経6〜10日)してから来院してください。超音波検査で10mm以上の卵胞がないことを確認してからHMG注射を開始します。注射を開始してから6〜12日目頃が採卵となります。卵の質が比較的よい方法とされ、ショート法よりも若干妊娠率が高いとされています。

 

<ショート法>主にAMHが1.5ng/ml以下の卵巣機能が低下気味の方
 体外受精・胚移植周期の月経2〜3日目からブセレキュア(1日3回、両鼻孔にスプレー)の使用を始めます。月経3日以内に来院してください。超音波検査をして10mm以上の卵胞がないことを確認の後に3日目頃からHMG注射を開始します。注射を開始しておよそ10日目頃が採卵となります。

 

<ウルトラロング法>
子宮内膜症(チョコレート嚢腫や子宮腺筋症)がある方には、子宮内膜症治療薬のナファレリール(鼻スプレー)やボンゾール(飲み薬)を、2〜4ヶ月間使用して、チョコレート嚢腫や子宮腺筋症が小さくなってからHMG注射による排卵誘発を開始する方法です。

 

HMG-アンタゴニスト法(中等度の排卵刺激)

アンタゴニスト(セタロタイド、ガニレスト)(排卵を抑制する注射)を併用。
スプレーを使用しない場合には、早発排卵が約15%あり、体外受精のキャンセル原因となります。アンタゴニスト(セトロタイド、ガニレスト)は、排卵抑制の即効性があり、排卵直前に使用することでLHサージを抑制できるので、@使用期間が短い(1〜4日程度)、A排卵誘発剤の使用量が比較的少量ですむ、B卵巣過剰刺激症候群が少ない、などの利点があります。使用方法は、卵胞が14〜16mmになったら、採卵決定までHMG注射とともに毎日皮下注射を行います。アンタゴニストは排卵誘発剤ではなく排卵を抑える薬であり、同時にHMG注射の併用が必要となります。ただし、アンタゴニストを注射しても5%程度に早発排卵がおこり、採卵がキャンセルとなることがあり得ます。ナファレリール、ブセレキュアなどのスプレー薬使用の誘発で卵子の質が不良の方、なかなか妊娠しない方、卵巣過剰刺激症候群がおこりやすい方、などにお勧めします(広い意味でのマイルド法になります。

 

 

マイルド法(卵子が少なくても良いとする方針)

HMG注射による卵巣過剰刺激症候群などの副作用を避けるために、内服薬を中心にマイルドに排卵誘発する方法です。ただし、採卵数が少なくなるので、キャンセル率がやや高く、妊娠率はやや低下します。マイルド法はスプレーによる排卵抑制をしないので、頻回の来院が必要です。必要に応じて、HMG注射による排卵誘発の併用や、アンタゴニストによる排卵抑制、鎮痛剤のポンタール内服薬や座薬による排卵抑制の併用もしばしば行われます。

 

A)クロミフェン法・フェマーラ法(飲み薬のみの使用)
内服薬のクロミフェン、レトロゾールなどは月経2〜5日目より、1日1〜3錠ずつ、5〜10日間使用します。月経開始後10〜16日頃が採卵となります。生理開始8日目ぐらいから毎日または1〜2日おきに来院し、超音波とホルモン採決での検査が必要です。

 

B)クロミフェン・HMG法:レトロゾール・HMG法(内服薬+HMG注射)
クロミフェンやレトロゾールなどに、採卵数を増やす目的で、月経7〜10日目頃からHMG(FSH)注射を毎日か1日おきに数日間追加使用します。排卵抑制が必要な場合にはアンタゴニストを併用します。

 

C)完全自然周期法(排卵誘発剤を全く使用しない方法)
完全な自然周期(ナチュラルIVF)は、通常は卵胞が1つであり、採卵できない場合や受精しない場合もあり、胚移植できる可能性が約50%(キャンセル率50%)で、胚移植できた場合の妊娠率は15〜20%です。AMH<0.1ng/mlの卵巣機能がかなり低下している方にはしばしば行われます。